短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

2018-05-12から1日間の記事一覧

RE お待ちかねグツグツ煮込む鍋魚 やつの小皿に「ふー」息を吹く

tanka.sblo.jp 猫短歌! 猫短歌! と、テンションが上がってしまいます。 サザエさんの歌ではありませんが、海鮮好きの猫って実在するのですね。 私が飼っていた猫はカリカリしか食べないので、例えばお刺身なども「すんすん」と匂いをかぐだけで、かじるどこ…

RE あれ桜?あれは梅でしょ!?桃だった! ちょっと早いゆとりの開花

tanka.sblo.jp ユーモアのある楽しい歌ですね。ゆとり世代なんて言葉もありましたから、綺麗だと感じるけれど、なんだっけというトボケた味わいもありますし、あるいは「ゆとり」とされた存在が何かしらの意味で「開花」すると解釈しても楽しいと思いました…

RE 日だまりのハシにおさまる猫の背に 一匹分の日を日は照らす

tanka.sblo.jp 面白い。猫が好きすぎて「太陽がことのほか猫に日を注ぐ」イメージを抱いてしまったのですが、なるほど、足るを知る猫さんでしたか。 鑑賞の余白を与えてくれる作品ですね。 「日だまりのハシ」という表現も、とても魅力を感じました。 返歌 …

RE 雨の踏むみみずは今は別の場の 別の誰かが踏むようになり

tanka.sblo.jp いわれてみれば。子どもの頃は、アスファルトの上で干からびているミミズもいれば、例えば土を掘ったらミミズが出てくるなんて経験がありました。 ミミズ、どこにいってしもうたん。 今回は、ミミズ踏んだり蹴ったりですね。 雨に踏まれるし、…

RE ここに咲く花には色があるように あなたが笑うそこに花咲く

tanka.sblo.jp まだ、ぼんさんのblogを知る前に公開された作品です。 短歌と写真は似ていると思います。語彙・表現力・技巧・短歌と古典の造詣等などがカメラに相当し、「あれを撮りたい(歌いたい)」と感じてシャッターを押すイメージです。 この短歌は、…

RE 地に近い距離にうつむく花はもう 姿勢を正すことも出来ない

tanka.sblo.jp 今日、私は友人から嬉しい知らせがありました。また機会を改めて内容を共有したいと思います。 なんとなーく、RE:短歌短歌のことかなあと、思って拝読しました。 うん、これ違ったら相当恥ずかしいですね。 センサーといえばいいのでしょうか…

RE 投げ出されコンクリートに落下するビルより高い空を降るよに

tanka.sblo.jp 雨が降る、雨音がする。 ただそれだけのことなのですが、切り取り方によって、広がりが出ますね。 私はとても雄大な歌だと感じました。 雨音、たしかに楽しいですね。 返歌 コンクリに当たって溜まる水鏡雲が映るねあそこから来た 「つめたい…

RE しまった!うっかり睡魔に置いてかれ ひとり布団で夜をみつめる

tanka.sblo.jp 説明と描写の違いなどといいますが、「眠れない」と言わずにどう伝えるかが腕の見せ所ですよね。 「睡魔に置いてかれ」とか「ひとり布団で夜をみつめる」とか、ものすごくよく分かるし、表現が美しいと感じました。 なにより「しまった!」の部…

RE 電線は雀の列が飛び立つと 一、二秒ほど身を震わせる

tanka.sblo.jp 私の身近にいる鳥といえば、カモやカササギ? もいることはいますが、やはり雀・鳩・カラスを見かけます。 電柱を歌う方はいますけど、電線に注目される視点がいいですね。また、楽譜の五線譜と、鳥の関係を描く視点ではなくて、鳥が去った電線…

RE 押入れの下段に潜り戸を閉める しばし見つめる柔らかい黒

tanka.sblo.jp たしかに、押入れといえばドラえもんですよね。 あ、ぼんさんのblogの文章への感想です。詳しくは上記の本家へ。 幼い頃に、押し入れの上段の中身を出して、ドラえもんのマネをしたのを思い出しました。友達とかくれんぼして、狭いところに一…

RE 仕舞うべきコタツ布団を仕舞わない あともう少し温まるため

tanka.sblo.jp 梅雨寒なんて言葉もあります。コタツふとんの仕舞い時って難しいですよね。 人を駄目にする毛布とか、人を駄目にするソファとか、時々ネットで話題になりますが、そもそもコタツが人をダメにする装置です。 ぼんさんの文章でも触れられていた…

RE 昼すぎの住宅街に陽は溜まり 暇つぶしに風を丸める

tanka.sblo.jp 陽だまりと風についての感受性が興味深いです。なるほどと思いました。薫風なんていいますから、木陰を抜け、陽だまりでも風が吹き抜けて欲しいですけれど、一方で、陽だまりがあるから、風もという感覚もいいですね。 返歌陽だまりにベンチが…

RE 改札を渡るときどき呼び止める その都度人は不満の目を向け

tanka.sblo.jp 物語みたいで、いいですね。 でも、「定期そろそろ切れますね」とか、自販機で買い物したデータを読んで「朝はコーヒーですよね」とか、そういう方向ではなくて、「不満の目」と人の側の気持ちを描かれたのが興味深いです。 返歌「改札を通っ…

RE モルモルと布団の横をもぐりぬけ僕の段差をのぼり寝なおす

tanka.sblo.jp 「僕の段差」という表現、たぶん初めて目にしました。いいですね。モルモルという音もいいですね。モルボルだと困りますね(FF的に)。 冗談はともかく、「モルモル」が無ければ、恋人の歌かなと受け取る方もいるかもしれないですから、何の動…

RE 空けていた家の受話器の信号で 今日も私は一人だと知る

tanka.sblo.jp 一人暮らしあるあるですね。何て言えばいいのでしょう。「寂しさ」の扱いが、感傷的になりすぎず(例えば寂しさ自体に溺れてしまい自己憐憫が出てくるとか)、じめっとさせずに、さらっと扱われている点がいいなと思いました。 返歌空けていた…

RE 屋根上に一羽降り立つムクドリが 僕に向かってピャッチパパラヤ!

tanka.sblo.jp 鳩が、「くっくぽーぽ、ぽー」って鳴いてることがありますが、あれが「ジュース下さい」って聞こえてしまって疲れるって人がいたことを、この作品に触れて思い出しました。 人の耳って不思議です。 さて、「僕に向かってピャッチパパラヤ!」…

RE 1Kの布団をどけた空間に 小さな工具箱を広げる

tanka.sblo.jp 工具箱を広げて、何を作られるのでしょうね。 家具等を組み立てるのかもしれない。 あるいは、自転車やバイク等が好きで、パーツを磨いてサビを落とすのかもしれない。 一畳くらいのスペースに、とん、と工具箱を置く瞬間を切り取ることで、様…

RE 一輪の黄色はふわり咲く庭に 同系色の網を被せる

tanka.sblo.jp 美しい花を美しいと気が付き、名を覚えていくことで世界が広がります。一方で、調べても名はわからなかったけれど、美しいねという眼差しも、とても素敵な感性と僕は思います。 ざっくり言うと、ぼんさんの優しい引き出し開いたって感じです。…

RE ベランダへ寝袋を手に乗り出せばつぶらな星の目と角砂糖

tanka.sblo.jp ベランダで寝袋を持って出てみる、というのが、まずとても良いと思いました。寝袋と星空の天井という壮大な時間を、身近に作り出せるって、その発想は無かったと、なんだか羨ましくなります。夜空を角砂糖と表現されることも、とても興味深か…

RE 水槽の食事は空を舞い降りる日記ぶらさげ泳ぐあの人

tanka.sblo.jp 水槽の中に「空」を作ることが出来る。言葉ならではの面白さですね。 非日常的というか、幻想的というか、今・ここにあることから想像力や視点の切り替えで、景色が一変する面白さを感じました。 返歌 防水の日記代わりに歌う歌記憶の海でくじ…

RE 私には文語の唄はよめなくてでも描きたくて限られた色

tanka.sblo.jp 写真が好きな方なら、目で見たように撮りたいのに、違うと、試行錯誤しますよね。 絵画がお好きな方なら、違う、この色じゃないんだと苦労されるかもしれません。 短歌なら言葉ですよね。イメージはある、自分にピタッとくる言葉を探す。 この…

RE カーテンに刺繍の花は咲いている 蕾の頃を知ることはなく

tanka.sblo.jp 「刺繍の花」「蕾の頃を知ることはなく」にしびれました。 作られたもの、例えば造花とかもそうですけれど、これらは最初から完成していて、あとは物として壊れるまで、時間をかけて朽ちていきますよね。 そんな、仮初の永遠を与えられたもの…

RE 図書館の席が荷物で埋まるころ 私も好きな本をさがしに

tanka.sblo.jp スポーツ選手に憧れるように、本が好きな子は、一度は夢見たことがあるのではないでしょうか。図書館に住めたらいいのに、とか、帰りたくない、帰るのが惜しいって。 中学生くらいの頃、学校終えて図書館に行って、好きな本を探してお気に入り…

RE 水滴を花弁に残し道を行く誰かの植えたアヤメはぽつり

tanka.sblo.jp アヤメを植えた人はぼんさんを知らないぼんさんはアヤメを植えた人を知らない 当たり前のことですが、アヤメを通して都会の距離感を感じました。 例えば、あれは誰それさんちの何々さんがいつ頃こんな風に植えてくれた花だよと、ご近所が知っ…

RE 自分なら全く観ない地上波を何となく見る人を好きでいる

tanka.sblo.jp 単にどんな人が好きか云々ではなくて、多様性というとおおげさかもしれないですが違いを含めて肯定された作品かなと、私は受け止めました。 返歌 テレビならほぼほぼ見ない日々だけど君の解説ずっと聴いてる 「地上波はダメになった」と怒って…

RE 門前の藤に片袖ふれた後 池の魚も一呼吸する

tanka.sblo.jp 穏やかな歌ですね。静かな庭園をイメージしました。 魚「も」だから、片袖触れた(もしかしたらお着物の袖かもしれない)方「も」一呼吸してる、とも受け止められますよね。 静かな空間があって、そこで動くものは少しで、小さな小さな音も聞…

RE 幸福の底値を求め入荷する108円のシュークリームを

tanka.sblo.jp 短歌短歌とぼんさんを知って、「短歌のブログやってるんだ」「へー」とか、お義理とかお付き合いで義務的に見るのではなく、次はどんな短歌が生まれるのだろうと、毎回更新を楽しみにしています。 こつこつメール書いていたら、blogにおそらく…

RE 手の甲に留まったハエは数千の眼で 不可解な僕を見つめる

tanka.sblo.jp ハエ≒気持ち悪い生き物として扱わず、ハエの複眼に注目されていますね。 ぼんさんの視点は、先入観から自由な部分が魅力です。 人の場合も、眼球も脳も全員違う。同じものも、見え方が違う。 これは豊かなことだなと、再確認させてもらいまし…

RE ミスドにて子供の手に持つ数百円 まん丸輪っかのしあわせとなる

tanka.sblo.jp これは自分にとって外さない、確かな幸せだ。そういうことを、把握してるって豊かなことです。村上春樹さんの「小確幸」に通じますね。 返歌 いにしえの歌詠む人に歌を添え感謝のしるし届けドーナツ ぼんさんの作品を鑑賞させて頂けるのも、文…

RE 朝の日は私の部屋の卓上に 熱と光の包みを開ける

tanka.sblo.jp この作品から、私は新聞配達をイメージしました。 寝付けない夜更けに、新聞屋さんのバイクの音や、ご近所に配達されるコトンという音、あるいは「包み」からギフトを連想し、クリスマスやサンタさんが毎日来る感じ等、イメージが広がっていき…