短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

リアル知人で短歌歴の長い、ふじ子さんから、心に残った短歌についてメール頂きました。

経緯

僕の貧弱な語彙で、どう説明したらいいのか迷って、短歌を先生について長年学ばれていらした老婦人がいて……という説明から、「短歌老婦人」って名詞ができました。

ご本人にお伝えしたら、「老」はやめてよとのこと。

大変失礼いたしました。

そこで、ペンネームどうしますかってお尋ねしていたら、お忙しいのに考えてくださいました。

 

ふじ子さん爆誕

ペンネーム決まりました。「ふじ子」さんです。とにかく、ご本人ここ読んで下さってますので、うかつなこと書けません。

優しい方で、「今の若い人達は短歌やるのね」とか、「私はTwitterやらないけど、それってどういうものなの」ときいて下さったりします。

そして、読んで心に残った短歌があると、メールで教えて下さるのです。

ありがたいです。

 

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今回、ふじ子さんがメールに書いて下さった作品たち

re-tanka-tanka.hateblo.jp

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短歌って、紙とペンがあれば始められるし、万葉の昔の歌も鑑賞できるし、小さな子からご高齢の方まで幅広い世代で楽しむことができますね。

私は、ふじ子さんのご厚意のおかげで、こうしてご縁があり、僕が好きだ・美しいと思った作品について感想を届けて下さる方がいること、とても感謝しています。

 

今回は、そんな気持ちのおすそ分けができればと、書きました。

ふじ子さん、次のメールお待ちしています。

RE 文字でしか優しい言葉を操れないのならば二度と会わないでいよう

傷つけてしまった痛みの歌かなと受け止めました。

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逆で、文字でやりとりしてる時は良かったけど、会って話したらなんか違うということもあるかもしれないですね。

 

どなたが言葉を操れないのか分かりません。そこも魅力ですね。

 

短歌を作る方が、言葉を選ぶことが出来る方が、それでも「ああ」と思われる何かがあって、こう結論を出したのかなとイメージすると、「優しい言葉を操れない」は「ままならない自分」(主体にとって)になるわけですから、切なくて美しいと僕は感じるのです。

 

単に会うと不愉快だから会わないとかそういうことではなくて、傷つけたくないんだという思いがあるのだとしたら、そういうことってあるなあと共感することでした。

 

返歌

文字でしか優しい言葉を話せないそれでもいいよ またお茶しよう

 

書かないと思ったことを言えなくて頭の中にペンがあります

 

不器用と呼べるレベルを越えている君をどうしてまだ好きなのか

RE ガラケーの頃はメールをすぐ返し 着信が来る度に高鳴り

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キャリアごとにモデルがあって、好きな機種が欲しくてキャリア変えた思い出はあります。スマホに変えてから、それ以前はどうだったか、わりと思い出せません。

たしか、mixiガラケーで使いやすくて感動した記憶はあります。

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こんにちは。今日は古き良き時代を思わせるアイテムのひとつ、ガラケーの短歌です。スマホ自体は大変便利なのですが、昔のガラケーは、「ぴこん♪」と鳴って「スチャ(`・ ω・ ´)ゞ」と開くまでの動作が愉しかったですね。今どきのように「未読」「既読」などを気にせず、互いにメールが届いてから数秒で返信を打ったりしました。

 「あ、ごめん、メールくれてたの」って、半日くらい経ってから返信しても許される対人関係だったので、数秒の経験は少ないなあ。

ぼんさんの作品だと、わくわくする意味のはずですけど、瞬時に返信しない私は、別の意味でドキドキしてしまいそうです。あ、すぐ返さなきゃって。やがて、携帯が震えるとトラウマになったりして。

考えてみたら当時はTwitter無かったですから、Tweet代わりにガラケーのメールを使ってたのかもしれないですね。楽しくて、うっかり電車乗り過ごしてしまいそうです。

たしかに、ガラケーをパカッて開くの、楽しいですよね。

 

古き良き時代を思い出すアイテムって何がありますか?

CDとかレコードかな。人によってはPHSとかポケベルとかかな。

 

返歌

ガラケーの頃はメールの返信は転送かけてパソコンで書く

 

ガラケーの頃は電池の減り具合こんなに早く無かったはずで

 

ガラケーをトイレに落としちゃった人 泉の精は出てきましたか

RE 嫌いだし死んだら良いと思ってるあいつを君が好きというから

 

この作品、とてもかわいくないですか?

 

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程度問題なのですけど、焼き餅焼いてくれるパートナーとか、若干束縛入る人の方が人間らしくていいかなと思うのです。(個人の感想です)

で、この作品の場合は、「君」がどう好きだと言ったのでしょう。

そろそろ告白したいなと思ってたら、「じつは相談が」みたいに打ち明けられたのか、それとも、すでに恋人なんだけど、「あの子可愛いよね」と世間話みたいに言われたのか。

前者なら、マジかよってなりますし、後者なら無神経ですよね。

「そういうこと言う君は嫌」を飛び越えて、「あいつ」をロックオンしてしまうくらい、君に惹かれてるのかなと受け止めました。

 

しかも、恋は戦じゃと、情け容赦ないもののふかもしれませんし、そうではなくて、「こんな気持ちになりたくないのに、わたし嫌なやつだな」って自己嫌悪抱かれているかもしれない。

 

ね、可愛いでしょ?

 

私は、仲良くなって、「好きな人が」と打ち明けられたら、速攻切り替えて、具体的に相談乗るタイプなので、トラブルはなくてまことに平和ですけど、こういう激しい気持ちって、とても華やかだと思うから、生命力に満ち満ちている感じがして、ステキだと思います。

 

嫌ったり呪うこと自体を勧めはしないけど、それくらい、どうにもならないくらい気持ちが揺さぶられるよってことが、作品になっていて、好きです。

 

返歌

嫌いだし死んだら良いと思ってる第一印象 ひどかったよね

 

準備してさんざんサインだしたのによその女の話しないで

 

そんなにも君が好きだと言うのなら 応援するよ キープやめてね

RE うなされて瞼の黒に写される シダ植物の拡大写真

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「また夢をみたのかい。言わなくても分かるよ、悪夢なんだろ」

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と、部屋にいないはずの犬が、夢の中で語りかけてきそうです。

村上春樹作品にそんなの無かったでしたっけ(うろおぼえ)。

 

シダ植物もじっくり見ると、けっこう怖いというか、同じ模様が続いてたりしませんか。葉っぱ裏返すと。蓮コラほど怖くはないけど。「瞼の黒」に写されるのは嫌だなあ。夢を見て、覚えている、もしくはすぐにメモしている、ぼんさんマメですね。

 

すごく疲れていて意味不明な夢を見たよという歌かもしれない。

でも、状況・設定を考えて、例えば研究者さんが研究しすぎて目に焼き付いてしまった、みたいな歌としてイメージしても楽しいと感じました。

いや、主体は大変でしょうけれど。

 

瞼に焼き付いて困った何かってありますか?

 

返歌

うなされてたよ 最近君は疲れてる 今日は休みにしてみませんか?

 

瞼には君が写っているんです 待って どうして心配するの

 

植物といたしましては癒やしなどお手の物ですおいでなさいな

RE 線香花火色のメッシュを入れた髪来年はもう学生じゃない

そういえば、髪を染めたことのない人生でした。

お化粧や髪の色や爪の色など、もちろんお召し物のお洒落も含めて、格好いい同級生や友達や同僚はいましたけど、付き合うとなるとそうした方とは縁がなかったです。

中身に惹かれるわけだから、だからこそ、大切な人が一番楽しい装いをしたり、お洒落を楽しむことを応援します。結果、染めないんですよね。

なんなの、ナチュラル的な何かの呪いなの……。

 

それはともあれ、イメージも美しいし、声に出して読んでも響きがいい。岩倉さんワールドは、ロックな香りと切なさのさじ加減がとてもステキです。

 

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「線香花火色」が、もう凄いと思うんです。真っ暗なところで輝く線香花火の色くらい、鮮やかなメッシュなわけですよね。学生のうちにやっておくんだってこともあるかもしれないけど、美容室行って美容師さんと話しながらメッシュを入れたとします。

「あ、そうか、学生じゃなくなるから、もしかしたらこれが最後かもしれない」

そんな心の小さなざわつきもあるかもしれないですよね。チクッとくるような。

 

線香花火は時が来ればポトッと、あの足に落とすと火傷するやつが、輝く火の水滴みたいになって落ちますよね。髪の色の描写と、学生を終えて社会人になるであろう状況、人生の節目に対する感慨が重なっているように感じられて、とても美しい作品だと思います。

 

どんな時に、人生の節目を感じられましたか?

 

返歌

線香花火色のメッシュを編み上げた 捕りに行くから覚悟しなさい

 

ああそうか、もう子どもでは無いんだと 冷たい部屋が 突きつけてくる

 

ヒゲだとかスキンヘッドも許される時期はいつからいつまでですか

RE 私の眉間を炙るブランドの 先を滴る蜂の脳髄

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痛い。

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蜂に刺されたなら手当の方法もありますけど、イメージとしての内なる蜂なわけですよね。焼きごてというのでしょうか、真っ赤に熱せられてジュッてやるあれがせまってきてて、その向かう先ではイメージとしての蜂が脳髄にいる。

前門の虎、後門の狼というか、踏んだり蹴ったりというか。

「痛さ」は共有できないけど、それほど痛いということは、共感できるつもりです。

 

この痛み、蜂を連想するよ。

この痛み、焼きごてみたいだ。

 

どちらかなら分かるのですが、両方組み込んできたのが凄いなあ。

容赦ない情景を歌われるから、一言も「痛い」と言う必要がないんですよね。

イメージに語らせる力、見習いたいです。

 

返歌

蜂を呼ぶ蜜の香りを用意して痛み和らぐ香りの力

 

私の眉間を炙るブランドよ じらしてないでさっさとやれよ

 

こめかみに抜けない花が根を張った ズキンズキンと脈打っている