短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 枯れるほど水を与える僕はたぶんあなたに枯れてほしいのだろう

依存とかイネーブリングとか、色々連想しながら鑑賞しました。「枯れるほど水を与えた僕は」ではなく、「与える僕は」である点も興味深いです。意図せずに枯れるという出来事を招き寄せてしまって、振り返って気づいたのではないですよね。

 

きちんと客観視出来ている。出来ているけど、何かがズレている。「枯れるほど水を与える」ことは、いつからそうなのか。かつては必要な量だったのか、それともエスカレートしてしまっているのか。枯れてほしいのだろうという結論は真意なのか、それとも、客観視から推測を積み上げた結果なのだろうか。 

 

  • 主体は客観視が得意
  • 主体にあなたに対する悪意や害意は感じられない
  • どちらかというと知的な側に振り切れていて、感情が知性の影に隠れている気がする

そんな風に読んだのですが、そうじゃなくて「気持ち・心・感情」も言葉通りだとして読むと、かなりおっかない作品ですよね。愛してたけど、今は習慣化した行動を反復しているだけで、もう愛してないって作品でもあるから。

「これだけ水あげたら枯れる」「いっそ枯れてくれないか」を、親しい相手との関係性に重ねると、私にはそんな風に感じられるのです。

 

いずれにせよ、ままならない心を言葉で捕まえていて素敵です。