短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 磨ケバ消エルヨウニ磨イテイタ ワタシハ割レタ鏡面ニイテ

f:id:re-tanka-tanka:20190117181234j:plain

tanka.sblo.jp

いいですね。すごくいい。

ぼんさんのblogのテキスト部分も拝見すると、この作品はフィギュアスケートから着想を得たことが分かります。

「割れた鏡面」が「ある」のではなく「いる」のがぼんさんの世界ですよね。薄氷を踏むという表現はありますが、すでに割れてるわけですからもっとしんどい。

かつ、磨いても割れたものは元に戻らないですが、その前提をいじってみようかと、因果律から自由になる視点、想像力という翼の膂力が強いですよね。

 

僕らは一つ以上、誰でも、磨いて消せるなら消したい何か、あるいはやり直したいけどやり直せない何か、取り返しのつかない何かを経験したはずだし、これからも経験していくのでしょう。そこからは自由になれないです。

でも、短歌のような詩歌でもいいし、他のアートでもいいのですけど、イメージすること、表現に昇華することで、本来自由になれないはずの、この窒息しそうな息苦しさから、ちょっとだけ自由になって一息つけるように思うのです。

 

ぼんさんが応援されている選手の方が、もしこの作品に触れたら、どんなふうに思われるでしょうね。「そんな視点もあるんだね」と、ストレスが軽減されたらいいなあ。