RE 打ちつけて白の散らばるビル街を 陽が振り上げた手槌の方へ
声に出して作品を鑑賞すると、「手槌の方へ」がなんとなく「鬼さんこちら」みたいな感じで、好きです。
夏の日差しは、「焼ける」ような強さがありますね。
冬の日差しも言われてみると、「こ、こおる。舌がまわらない……」みたいな時に、ふいに強い日差しと出会うことがあります。
陽の光が、まるで水しぶきみたいに輝いてる、みたいな情景かなあと思うのですが、「打ちつけて白の散らばるビル街」という表現が心に残ります。
水墨画みたいというか、ぼんさんが「はっ」とか「あっ」て思われたであろう瞬間の切り取り方が、グラフィカルですよね。
自分にはない視点にふれることができるのも、短歌の魅力ですね。