短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 線香花火色のメッシュを入れた髪来年はもう学生じゃない

そういえば、髪を染めたことのない人生でした。

お化粧や髪の色や爪の色など、もちろんお召し物のお洒落も含めて、格好いい同級生や友達や同僚はいましたけど、付き合うとなるとそうした方とは縁がなかったです。

中身に惹かれるわけだから、だからこそ、大切な人が一番楽しい装いをしたり、お洒落を楽しむことを応援します。結果、染めないんですよね。

なんなの、ナチュラル的な何かの呪いなの……。

 

それはともあれ、イメージも美しいし、声に出して読んでも響きがいい。岩倉さんワールドは、ロックな香りと切なさのさじ加減がとてもステキです。

 

f:id:re-tanka-tanka:20180620022341j:plain

 

「線香花火色」が、もう凄いと思うんです。真っ暗なところで輝く線香花火の色くらい、鮮やかなメッシュなわけですよね。学生のうちにやっておくんだってこともあるかもしれないけど、美容室行って美容師さんと話しながらメッシュを入れたとします。

「あ、そうか、学生じゃなくなるから、もしかしたらこれが最後かもしれない」

そんな心の小さなざわつきもあるかもしれないですよね。チクッとくるような。

 

線香花火は時が来ればポトッと、あの足に落とすと火傷するやつが、輝く火の水滴みたいになって落ちますよね。髪の色の描写と、学生を終えて社会人になるであろう状況、人生の節目に対する感慨が重なっているように感じられて、とても美しい作品だと思います。

 

どんな時に、人生の節目を感じられましたか?

 

返歌

線香花火色のメッシュを編み上げた 捕りに行くから覚悟しなさい

 

ああそうか、もう子どもでは無いんだと 冷たい部屋が 突きつけてくる

 

ヒゲだとかスキンヘッドも許される時期はいつからいつまでですか