短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 生え揃う乳歯のような 美しい背中を隠したあなたを思う

「生え揃う乳歯のような 」という表現が素晴らしいと思いました。

つややかで、生命力に満ちている状態ですよね。「生え揃う」だから、例えば永久歯が生えてきて乳歯が抜ける時期では無いはずです。「愛らしい」とか「やっと生えたね」みたいな、そんな気持ちを抱く方もいるでしょう。

 

大切な人を思う。

その人の美しい背中を思う。

その美しさを知るのは、主体だけかもしれないから、何から連想して「生え揃う乳歯」と表現されたかわからないです。歯の並びから私は背骨を連想しましたが、そうではなくて、「歯の時期」から歯の質感をイメージされているのかもしれない。

 

「隠した」もいいですね。

学生であれ社会人であれ、思いっきり背中あけたドレスで通学通勤する方は少ないかと思います。物理的な意味ではなく、「美しい背中」が何かの象徴で、その美しさを普段は隠し、主体の前では隠さないでいてくれる。そういう関係性もあるかなと思いました。

 

大切な人は、どんな「背中」を隠していますか?

 

返歌

「乳歯がねだいたい生えて来たからね歯が痒いです あむあむします」

 

生え揃う乳歯のような質感が五年経っても手の中にある

 

抜け落ちた乳歯のように投げられて役目を終えた 白い空だね