RE 何処にでも住める種族の私たち住民票はあの世におくわ
何処にでも住める種族の私たち住民票はあの世におくわ#短歌 #tanka
— may (紫水皐月) (@tokio_may) 2018年5月21日
「種族」という言葉を選ばれたことで、僕はファンタジー的な広がりを感じました。他の方は何をイメージされたでしょうか。
どこにでも住めるね、本当にそうですねと共感し、宇宙の果てとかがくるかなと思いきや、「住民票」をまず置けなさそうな場所が出てきました。
血のにおいがするような、ドギツイ表現ではなく、ふわっと死の気配が漂うことに、私は自由さを感じました。このテイスト、とても好きです。
実際に、あの世があって、お役所もあって、住民票で管理されていて、手続きに出かけられたらどんなだろうと、しばらく足を止めて考えてしまいました。
人間全体の歌ではなく、そういう種族の「私たち」の歌なんですよね。
それはきっと大切な人かもしれなくて、あの世に住民票を置ける関係、これって、例えば「同じお墓に入る」といった段階すっ飛ばしていますよね。なんだか羨ましい関係性です。
あるいは、縁起でもないイメージですが、死別した大切な人との関係性も、この歌から受け取ることが出来るかなと、私は感じました。
声に出して読んで、音の響きが綺麗で、あまり強い感情を表す言葉を用いてらっしゃらないけれど、その感情が一見揺れてない表現の向こうに、強い想いがあるように、私は受け取りました。
返歌
何処にでも住める種族の君なのにどうして僕の膝に来ますか
あの世にも役所なんかはありますか白装束は正装ですか
物件は君の希望を聴きますがあの世からだと職場遠いよ?