短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 夜一人静寂の鳴る部屋の中 耳を塞げば轟音となり

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さて、ぼんさん短歌です。

「静寂の鳴る部屋の中」も「耳を塞げば轟音となり」、通常は逆のはずですよね。自分の鼓動が聞こえそうなほどの静寂とか、あまりに静かすぎて耳が痛くなるとか、耳を塞いだから音が小さくなるとか。でもそうではない。

トンネルを抜けると気圧の関係で耳がきーんとすることはあります。そうしたことと近いのかなと受け取りました。

一人で、静寂に満ちた部屋にいて、耳を塞いでもかえって轟音になってしまう。

そんな状況ですけど、ぼんさんは、おたおたしていないイメージが私にはあります。

静寂と轟音という相反するはずのものを組み合わせたアイデアの面白さの他に、孤独とどう接するかという、腹の座り方が男前だと思いました。

 

返歌

夜一人「ねえ開けて、早く開けて」と静寂が窓をコツコツ鳴らし続ける

 

息潜め轟音達がお邪魔した合図を待って静寂になる

 

僕一人静寂に泣く暗闇で「風邪を引くぞ」と言われぬ 自由