短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 今日わたし誕生日って言えなくて鍋パーティーもそろそろ終わる

私の友人づきあいの範囲での話ですが、例えば「夏生まれ」とか「冬生まれ」くらいしか認識していません。もちろん、誕生日だと聞けば「おめでとう」と祝うくらいはしますが、家族や恋人の誕生日は覚えるのと比べると、あまり気にせず付き合えます。

女性を見てると、誕生日は大人になっても意識されている方、見かけます。

もしかしたら、文化の違いがあるのかもしれないですね。(どちらが良い悪いではなくて、違いが有るかも、という話です。)

 

さて、そんな誕生日の歌です。鍋パーティする季節ですから、暖房が必要な頃かもしれませんね。鍋を囲む仲間ということは、気の合う人達でしょう。

また、「なんとか鍋をなになにさん達と食べた」ならお店の可能性もあるでしょうけど、「鍋パーティ」という言葉からは、私はお店よりどなたかのお宅に集まることをイメージします。

 

この作品の魅力の核だと思う「言えなくて」について。

先述しましたが、「あ、そうなんだ。おめでとう!」で、もし済むのなら、「えへへ、ありがとう」で済むかもしれないですよね。でも、「あ、プレゼント用意してなくてごめん」とか「忘れてたわけじゃないんだよ」とか、仲間に気を使わせてしまい、場の楽しい空気に水をさしてしまうかもしれない。

だから言えないのかなと、受け止めました。

 

外は寒い冬、暖かい場所で、優しい人達と鍋パーティをしているのに。

もしかしたら、1対1なら、相手に負担かけないように言えたかもしれないのに。

(けれど、場に複数いるから、そういうことも難しい)

 

楽しい場で、一緒に祝って貰えたら嬉しい、けど言えない。

気心の知れた人達なのに、空気を壊したくないから言えない。

そんな繊細な心の動きが、丁寧に切り取られていて、私はこの歌が好きです。

 

返歌

「今日君の誕生日だねおめでとう」ポーカーフェイス練習してる

 

言うのかな誕生日だね知ってるよお鍋の下で気の使いあい

 

今日わたし誕生日って言わせてよ会う人皆に先に言われて