短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE すべり込む日を掃き出して映し出す プロジェクターに外国の花

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お。

ぼんさんのおうちの秘密公開ですか。

プロジェクターは、いいですよねえ。TV見ないし映画館も行かなくて、そもそも動画コンテンツをあまり見ない。そんな私でも、「何この快適空間」って思います。

 

テレビゲームをやる気力も無いのは災害レベルの猛暑のせいですが、ゲームを接続してあの大画面で遊べるとしたら、やばいですね。快適すぎておうちにずっといたくなりそうです。

 

おうちに映画館がある。

そういう楽しさありますよね。

 

返歌

すべり込む日を掃き出して壁に投射す様々な花

 

すべり込む日をお招きし並んで見てるアベマTV

 

この場所は私のためにあるわけで何を見ようか選ぶのも俺

RE 黒ずんだふたつの壁と天井の まじわる点に吸盤をふれ

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言われてみれば、立体の「角」とか「隅」って直角が集まって出来てますよね。

ふだん意識しないけど。

そこをどう感じるかが、ぼんさんワールドだと思いました。

 

私はたまに「あ、このアングルで写真撮りたい」と感じる「まじわる点」はあります。もしかしたら「吸盤」と表現されたことを、違う形で受け止めているのかもしれないですね。

 

返歌

黒ずんだふたつの壁と天井にズレが出来てて外に狼

 

黒ずんだふたつの壁を磨いたよ君の気配はまだ消えないね

 

真っ白を真っ白なまま保ってる壁が支える天井の白

RE 慈しむように両手で揉みしだくわたしの為のわたしのおっぱい

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普段口にしませんし、せいぜい「胸」とかぼかすので、すごい球きちゃったってびっくりしています。題詠なのですね。勇者。

 

岩倉さんはパンクとかロックというか、「うるせえよ」って感じの反骨心をお持ちの方なのかなあとなんとなく思っています。違ったらすみません。

 

例えば「揉みしだく」とかは、かなりドキッとする単語かなと僕は感じます。

でもその後に「わたしの為のわたしの」と続きますよね。

僕は男だからわかんないで通り過ぎたことたくさんあるのかもしれないけど、女性だからこその圧力というか鬱陶しさみたいのありますよね、きっと。

そういうの蹴っ飛ばしてくれる感じがかっこいい。

 

ものすごく当たり前のことで、私の体だ、ガタガタ言うヤツうるせえってことないかなあって僕は感じました。いや、受け取り間違えてるかもしれないけど。

 

 

返歌

幻想を生きているのは勝手だが 私をそこに巻き込まないで

 

気づいてる? あなたの視線下がったよ ここは職場でそれも仕事か?

 

頬が触れ抱え抱いて声を聞く 「痛くはないか」「もう痛まない」

RE 公園のチョコレートの土の上 脱ぎ捨てられた薄いカラメル

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なるほど。土の色からチョコを思うことも、セミの抜け殻からカラメルを連想することもあるけれど、両方をセットにするのがいいなあ。

ぼんさん多才だから、うっかりすると作れそうで恐ろしい。

美味しいデザートとか。

 

返歌

公園のチョコレートの土の上 落としたアイス すぐ溶けていく

 

公園でチョコレートの土の上 働きすぎてアリが倒れる

 

チョコレートお高いやつを買ったけど 違い分かる? と セミにきいてる

RE 空き缶の横たわる部屋網戸には 細かい虫が息絶えている

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ぼんさんの光の感じ方が興味深いです。私には無い感覚ですね。

空き缶が「散らばる」部屋ではなく「横たわる」で準備して、「息絶えている」につながるのですね。

命の有無ではなく、空き缶と細かい虫が同じような重さで扱われているように感じられて興味深いです。

 

返歌

空き缶の横たわる部屋網戸には無数の手形押し付けられて

 

空き缶も横たわる部屋優しくて闇だけあって心静まる

 

いつの日か煙になって消えていくそんな体が汗をかいてる

リアル知人で短歌歴の長い、ふじ子さんから、心に残った短歌についてメール頂きました(6)

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上記3首が心に残ったよーと、メール頂きましたのでお知らせします。

 

 

 

RE なじんできた翼を背負う真っ白じゃないけど日曜手入れした羽根

久しぶりにハッシュタグを少し見ることができました。

惹かれる作品があって、アカウントを拝見したら上記が固定Tweetになっていました。

二首引かせて頂きます。

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下り坂がローラーすべり台ならばもっとあなたと生きられるのに

「ローラーすべり台」だと、距離を自分では調整できないですよね。前の人にぶつからないように、あらかじめ間隔をあけて滑る。あるいは一緒に滑るとか。

そうイメージすると、主体は、 気持ちはあるけど、距離をなかなか縮められなくてもどかしい状況かなあと思うんです。

まだ付き合ってない状態かもしれない

付き合ってはいるけど距離感が手探りの時期かもしれない

そして、関係が壊れる時かもしれない。

どの状況でも、イメージできるかなと思いました。「距離感」と「もどかしさ」から連想できる情景は、もっと多いですよね。「生きられるのに」が加わればなおのこと。

 

なじんできた翼を背負う真っ白じゃないけど日曜手入れした羽根

「仮面」ではない点がとても個性的だと思います。「なじんできた翼」は、どこかへ行くための翼、もしくは役割を果たすための何かかなと受け止めました。

純白だよ! 遠くまで飛べるよ! ではなくて、真っ白ではないけど、手入れはしたよって部分はすごくリアルです。大事にしてる靴みたいなイメージ。

ファンタジックなのですが、でも日常の香りがする。

 

とても素敵だと思います。

 

 

返歌

この足とこの手が届く距離ならば きっとあなたと生きられたのに

 

なじんできた翼を背負うのをやめる もっと遠くへたどり着くため

 

買い換えろそんな言葉は聴きません 一生モノの形見なんだよ