短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 節制を極めた体(てい)の(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤ顔で 手に取るTEPCOの検針票

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節電してますか?

 

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ちなみに、今日の一首のように節制を極めた体で東電の検針票を確認した私は、案外ふつうの金額だったことにショックを受けました(笑)

できるならとっくに開発されてますが、雷を充電できたとしたら、スマホ何台充電できるのでしょうね。引用した箇所を見ると、どっちかというと、ぼんさんの背景に雷落ちてる感じですよね。

 

「節制を極めた体(てい)」っていいですね。エコだけでなく、お食事とかも気を使って、体も作ってそう。なんなら悟り開くまでありますね。

そんな主体が、検針票見て固まる。

 

会心のドヤ顔からのフリーズ、コントラストくっきりですね。

 

返歌

節制を極めた体の老爺から謎の体術かけられている

 

節制を極めた体のあなたでもチーズタルトに勝てないでいる

 

悲しみや怒りなんかはいらないな等価交換してもいいけど

RE さよならの代わりのキスをくれたけど終わりになんかしてやるもんか 

 状況によって、可愛いし怖いし。

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作品をよく読むと「代わりのキス」なんですよね。

終わりにしよう・別れようってきちんと納得するように伝えず、察してというかのようにサインだけ出すなら、「気付きませんけど」ってはねのけるのは当たり前だと思う。

なんだろう、生命力とか強い意思や想いを感じて、応援したくなります。

 

まあでも、男女問わず、何もかも言葉にしない人達はいるし、それはそれで生き方としてありだと思うので、難しい。難しいから面白いけど、苦しいですよね。

 

返歌

さよならもキスさえ無しに消えるとかあり得ないでしょ逃がしませんし

 

今ならばまた友達に戻れると 大人のフリをしないで欲しい

 

もう君が好きではないと言いなさい 君が好きだと言ったあなたが

RE また別の壁に面する窓で知る そこまで伸びる花の匂いを

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ヘクソカズラもすごい名前つけられちゃいましたね。誰だよ名前つけたの。

 

花の生態的には、何か意味のある臭いなのでしょうね。悪臭というと、ゲームが好きな私はFFのモルボルを思い出します。あれが壁にはりついてて「よっ」て言われたら困りますね。困るというか命にかかわる。

 

「また別の壁に面する」が興味深いです。窓Aで襲撃され、窓Bを開いたら「やあ」ってヘクソカズラがいたのかもしれない。あるいは、窓Aは雑草として対処され、やれやれと思ったら窓Bで再びかもしれない。イメージが膨らみます。

 

それでも、「そこまで伸びる花」という表現を見ると、悪臭ある花だけど、そこまで伸びてきた命にいじらしさみたいのを感じて、「そこにいな」って見守ったり受け入れたりできるのかなと思ったりもします。

花に悪意はないですもんね。(あったらどうしよう)

 

返歌

また別の壁に面する窓で知る やっぱりここも脱出できない

 

あの壁は管理する人いないから すっかり蔦におおわれたよね

 

悪臭を気にしなくてもいいのにな 自然なままで遊びにおいで

RE 冷房もあまり利かない部屋だけど 涼みにきてよ僕のすみかへ

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ぼんさんは、友人を頭に歌ってるのですが、これ、「君」に対して歌ってるとも受け取れますよね。「暑い」って言われて素直に冷房いれちゃったりして。

それはさておき。

彼の深い知性と感性に惹かれる仲間は、彼の抱える「静けさ」があるから、汗だくだくになったとしても「涼む」ことは出来ると僕は思います。

それもさておき。

謙虚でチャーミングな「遊びにおいで」って作品だと感じました。

ぼんさんのシャイな面も、感じられる気がします。

 

返歌

塩分と水は各自で持ってこい 庭の木陰で話をしよう

 

冷房で風邪を引いちゃう君だから 音と光で涼しくするよ

 

友達とステーキ焼いてかぶりつく そんな季節もあったことです

RE いくつかの層にわかれる空のうち どれが好きかな私はどれも

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空がカクテルみたいに感じられる作品ですね。

イメージが美しい他に、「私」が登場したことが、珍しいと思います。

受け止め方としては、主体が「私はどれも」かもしれないし、「どれが好きかな」「私はどれも」という二人の会話にも見えます。

 

「夕陽」「うん」みたいに、全部を言葉にしなくても、想いを共有できたり、美しく惹かれる何かを大事な人と並んで見ることが出来るって、特別な時間ですよね。

そういうイメージも好きだし、自問自答するかのように一人空を見て、足を止める姿もまた美しく思うのです。

 

返歌

いくつかの層にわかれる空のうち どれに潜ればよく眠れそうなの

 

いくつかの層にわかれた空の君 機を立て直し 帰ってこいよ

 

この空を見せたい時に限って君は 僕の隣を留守にしている

RE 釣り糸の浮きに近づく三日月は 揺れたそのとき尾びれを仕舞う

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三日月の尾びれ!!

「見つかっちゃったかな」とか「ちょっとふざけ過ぎたかな」みたいな、いたずら好きの三日月みたいなイメージが浮かびました。なんだか可愛いな。

当たり前ですけど、僕らは月が丸いことも、川面・水面に写る三日月が何なのかも知っています。知っているけど、その知識や常識から自由にイメージの世界に飛躍できる点が、ぼんさんの強さだなあ。

 

返歌

釣り糸の浮きに近づく三日月をまさかほんとに釣っちゃうなんて

 

釣り糸の浮きに近づく三日月は川面を跳ねて誘ってみせる

 

三日月のブランコに乗り立ちこぎで今夜はどこを見て来ようかな

RE 真っ白な心であなたを見たいから あの人のこと、忘れておくね

強い女性。

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これ、主体が心の中で「決意」として自らに宣言してるのかなと受け止めました。

「あなた」に向かって「忘れとく」って言ってると解釈すると、内容変わりますよね。

 

僕らは「忘れる」ことをコントロール出来ないですよね。だから、半ば儀式のように、元カノに関する写真も思い出の品も一切破棄する、メールも削除し携帯番号も消す。SNSで繋がってたらブロックするかもしれない。

それは「終わったんだよ」と自らに理解させるための儀式のように私には思えるのです。お互い、別々の人生を歩くわけだし、憎んでるわけでもないし。

ただ、自分の心の深い部分に刺さった何か、それは優しい記憶でも、傷つけられた記憶でもいいのだけど、「爪痕」は年輪みたいに残るなあと思っています。

 

これは私の価値観とか生き方で、男性の例にさえならないかもしれない。

みんな、「忘れる」ってどうやってます?

 

返歌

そういえばあの人のこと忘れてる 黙ってますし君も触れない

 

真っ白な心であなたを見たいから 今日の話をいたしませんか

 

色彩をぶちまけたような心でも そこも好きとか、それずるくない?