短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 見たことのないものばかり欲しくなる ホタル、オーロラ、君との未来

「蛍」から、こんな風にイメージを広げるって、凄くないですか?

「欲しい」ものは、基本、手の中に無いから欲しいわけですよね。

たとえば、すごく不器用で、うまく他人に優しくできない人が、やさしくなれたらなあと、やさしさを自分に求めるかもしれません。

たとえば、大好きな食材があって、切らしてて、買い物に行かなきゃという種類の「欲しい」もありますよね。この場合は「見たことがある」ものですね。

あるいは、他人への期待も「欲しい」には含まれないでしょうか。

理解してほしいなあとか、振り向いてほしいなあとか、遅刻しちゃったけど鬼課長の機嫌が今日は悪くないといいなあとか(遅刻したのは謝るから、怒りすぎないで欲しい)。

この作品では、さらっと「見たことのないものばかり」と絞られて、「ホタル、オーロラ、君との未来」と続けられました。ホタルは飼育したいという意味ではなく、幻想的にホタルたちが舞っている様子を、誰かと見たいという意味かなと受け止めました。

オーロラも、「気に入ったわ。壁にかけるから1つもらうね」みたいなことは出来ませんので、誰かと見たいですよね。

誰とでしょうか。「君」ですよね。

「君との未来」は見えなくても、「君」との関係性も分からないけど、具体的にどこかにいる「君」なのか、もう交際してるのか、あるいは「まだ見ぬ君」なのかは分からないけれど、「君」だけは、ご縁があれば具体的に手が届く存在ですよね。

「見たことのないものばかり」と並べられた中で、「君」は、まるで扇の要のように、様々な他の「欲しくなる」ものたちを繋いでくれるように、私には思えるのでした。

とても美しいイメージだと思います。

 

返歌

ホタルでしょオーロラも見て君がいてとても静かな愛おしい部屋

 

見たことのあるものだって欲しくなる君の笑顔を引き出す何か

 

欲しくなる魔法をかけるCMに僕の財布が毛を逆立てる