短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 生を受け浮遊したのち降下する その一時の怖さを胸に

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なるほど。成層圏

バクテリアの一生のサイクルってどんな感じなんでしょうね。

彼らから人間を見ると、やたら長寿な生き物に見えたりしないかな。

作品に戻ると、「怖さを胸に」が印象に残りました。

 

以前、好きで読んでいたSFの中で、文明が知的生命体に会いに行くなりコンタクトとれるだけ発展する頃には、その知的生命体の文明が終わってるってシーンがあったのを思い出しました。

 

バクテリアも人もセミも、あるいは犬や猫も、持っている時間の流れが違うけれど、文明単位の時間の流れもありますよね。バクテリアの場合、世代交代のサイクルがとても早いけどずっと続いて、人の文明が終わっても残っていたりするのかなあ、などと思うことでした。

 

 

RE 天高く並べる雲の凹凸を 数滴が降り雨を知らせる

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「降ってきたね」って状況ですよね。

パラッとくるかこないか。

 

この作品はまず、遠くを描いて、次に身近な「数滴」に視点が向きますよね。

キャンバスが大きいというか、空とここという遠いけど繋がってる状態を切り取られていて、私は好きです。

 

RE 配られる手札・場次第 錯覚は まわりめぐれば一時の恋ヾ(・ω・`)

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なるほどなるほど。

 

ポーカーを例に、「最初からカード揃ってる、あとは何で上がるかだ」って表現をすることってありませんか。生まれた環境がいい、例えば富豪のお家に生まれるとか。

花札の手札・場と一時の恋を重ねるの、いいですねー。

 

もどかしさとか、どうにもならなさを思いました。

実際のゲームであるのなら、自分の勝てるゲームや場に移ることが可能ですけれど、恋の場合は場も手札も変更出来ないのがしんどいとこですよね。

 

「ルールおかしいだろ」って思いつつ、少しずつ手札揃えていくというか……。

 

 

 

RE 僕以外みんな灯りを点けたから星がひとつも見えなくなった

 

すごく好き。

「僕以外」がいじわるしてるわけではないけれど、結果的に主体から星を取り上げてますね。星と光害ってことと、「ぼっち」を重ねて表現されたこと、凄い。

 

主体の自意識・感受性が高いから見えなくなることもあれば、気にするしないのレベルではないことだってあるでしょう。

 

『「僕以外」という比較の対象がいるからしんどい部分』と、「主体と星だけだったら、孤独は成立するのか」って2点で、孤独とは何かを意識させられました。

 

 

比較しなければだいたい解決とか、気にするから気になるみたいに、「答え」を持ってる人や、悟った人は少ないでしょう。頭で分かるけど、しんどいし息苦しい。

 

「ぼっち」を足がかりに、「コチラ側とアチラ側」のどうにもならない溝も描いた作品に感じられるのでした。作品に戻ると、ぼっちだからこそ、星くらい見せてって気持ちになりません?

RE 愛することなんてできない 体じゅう管だらけになっても生きていて

愛と執着と呪いの境界線ってあるのでしょうか。

 

写実的な作品であるのなら、極限状態ですよね。価値観も人生観も全員違うから、正解なんてなくて、祈って見守るしか出来ない。

 

愛って言葉の扱う範囲で済ませてたまるかって、強い思いの熱量にしっくりくる言葉を探しているのかもしれない。

 

あるいは、平和な日常にいるのだけど、「これくらい強く、私はあなたに生きて欲しい・居て欲しい気持ちがある」って受け止めも出来るかなあと思うのです。

 

この作品に対して、「うん、いいよ」って約束して、約束守れることって少ないでしょう。僕らの最後って、自分ではどうにもできないものだから。だから無責任な言葉なのは理解していても、即答出来る関係性がもしあるとしたら、眩しいな。

そう考えると、僕らの言葉や愛や執着や約束って、体じゅう管だらけになる・ならない以前に、距離の近い相手を「縛る」から、僕らは目に見えない管をたくさん体につけて生きているのかもしれないですね。

RE おかしくはなりきれないで破れにくいストッキングを選んで被る

スレスレというかギリギリというか、どっか理性が残ってるってことが、リアルだなあと感じます。

 

ストッキング被る理由が、強盗とか変質者とかだと整合性がまだありますけど、「ただ自分が鏡の前で変な顔すること」 だけのために、破れにくいストッキング被ってたら怖くないですか。

 

岩倉曰さんの作品は尖ってるというかパンクな印象があるのですけど、この作品も攻めてるなあと思うことでした。

(ていうか、破れやすい・破れにくいってあるんですね(詳しくない))

 

RE さつま芋ご飯を出せばブーたれる どこの家庭も女性は出すが

616 さつま芋ご飯の短歌 男性蔑視..じゃないですよ?*1: 短歌短歌!! (英語のポエム添え)

 

え? 炊き込みご飯を作って食べさせてあげて不満げってことですよね。

主体優しすぎる……。

 

聖☆おにいさん』に、ブッダが石と雨水をスッとイエスに出して、「どこの鬼嫁かと思った」ってシーンがあるのですけど、食料もったいないので、石と雨水出してやれって思います。いや、しませんけど、しませんけど心の中では。

 

異文化だと、もてなしてくれているけど、うけつけない食べ物とかありますよね。そういう状況で、もてなしてくれた方に嫌な思いをさせないよう、礼儀正しくいただく姿勢があります。そこまで高いハードルではないのだから、もてなされている自覚持とうよって思うことでした。

 

……さつま芋ご飯にする前の、スーパーとか八百屋さんで買ってきたばかりの、乾燥して硬いさつま芋でゴチンってぶってはいけませんが、ぶっちゃえって思う。バールのようなものの代わりに、さつま芋のようなもので。

 

はてな記法の関係で、顔文字が正確に表示されなくてすみません><

*1: ;゚ Д゚