RE その子へは眩い路の距離を経て 心震わす何かはそこに
「あの頃」か「人の成長過程の一時期」にある、まっさらな新雪みたいな季節。不思議なことだらけで、目線も低くて、新しい挑戦は冒険ばかりだった。
そのことを直接「まばゆい」と表現してもいいかもしれないけれど、この作品では「眩い道の距離」の向こう側と詠んでいる。
そして「あの頃、たしかに心震えたんだ」って、「そんな季節があったんだ」って、確認しているかのように、「何かはそこに」と繋がる。
その人が成熟していくこと、精神年齢みたいなものって人それぞれで、感動の沸点とか温度も人それぞれで、センサーからして全員違います。「何かはそこに」に相当する何かと接した時に僕らは、「ああ、やってるやってる」と見守ることも出来るし、「あんな頃が、あったよなあ」と振り返ることも出来ます。
中にはズキンて胸が痛むこともあるでしょう。
これだけの鑑賞の余地を持たせてあるのが魅力ですね。
日常で気づけば誰のそばにもある風景を通して、人生を切り取ったと僕は感じました。
アートで人生扱えば、文学だと思うんですよね。小説であれ詩歌であれ音楽であれ。