短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 諦めたとは言わないがゆるやかに手放しつつある夢のいくつか

 

まだ手の中に胸の内に温度はあるけれど、「たぶん違うんだろうな」ってうすうす分かっている。分かっているから、そっと手放しつつある。ビターです。

 

これは夢を見て期待して傷ついた痛みを知っている人の視点だと思う。夢との付き合い方の上手い人だと思う。もしかしたら、夢を叶える幸福や満足と、夢がかなったあとの余韻・寂しさも知っている人かもしれない。

 

夢だけじゃなく、私はこの作品から、人間関係の知恵も連想します。恋愛や大切な人でもいい、大切な友人や仲間や家族など、「人間関係」にも援用できそう。たとえば、「ああ、この人、ここは変わらないかな。でも、惚れてるんだよな(良いやつなんだよな)」って具合に。

 

冷めて達観しすぎるのでもない、夢に溺れて消耗するのでもない。この作品は、想いの温度や手放し方(ガス抜きの仕方・圧の下げ方)、心の置き方、主体のスタンスがとてもクールだと思うのです。