短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 身につけぬ腕時計みたくただ無駄に刻んでいつか止まるこの音

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腕時計は時を刻まなくなっても保管しやすいですけど、私達の入れ物はそうはいかないですよね。

 

漠然とした気持ちとか、哲学的な問いから、いろんなことが重なりすぎて生じた苛立ちまで、幅広く対応できる「無駄に刻んでいつか止まるこの音」ですよね。凄いな。

無駄に思えても時は刻み続けること、腕時計が自分で電池なりゼンマイをいじれないことと似ています。

 

「この音」から少し飛躍するのですけど、「孤独」ってきちんと同居できている人は、独特の静けさがあって、持ち寄れる感覚ってないですか?

今回の作品の「この音」に関しても、悲しみ・無力感・虚無など、自分の中にその音が「ある」ことを知ってる人は、例に出した「孤独」と同じで、人生の味を一つ多く知っている人なのかもしれないです。