短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE もしかして気付きましたか風となりおでんの匂いを運んだ僕に

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 風になって運ぶものが「おでんの匂い」なあたりに、作者の岩倉曰さんではなく、主体の何かが出ている気がします。それは照れなのかもしれないし、あるいは悲しみかもしれません。ずっと気づいてもらえなかったけど、君が好きなおでんの匂いならさすがに気づいてくれるかな、という意味にも読めそうだから。

「もしかして」というのは、私達が風になって誰かの元へ何かを届けること自体、気づくことはまずできないという面の他に、そもそも存在感が出せなくて言えなくて、風になって「やっと」という状況もあるかなあと受け取りました。

 

そうではなくて、お別れの代わりに気づかれないように、ちょっといたずら心を発揮したら、バレてた? というウインクみたいな意味での「もしかして」だと、サラッとしてていいなあ。今回も、多面的に読むことができる、作品ですね。