RE クッキーの割れた私を掻き集め わずかとなった身を積みなおす
傷を負って、再起する作品ですけれど、考えてみると成長ってこの繰り返しかもしれないですね。
合理的に考えれば、いかに短い時間で自分を立て直せるかが大事ですけれど、でも、ダウンしてる時間が無駄かというとそうでもないんですよね。自分の立て直し方を知っていることも素晴らしいし、ダウンした状態だから気づける・学べることもあるから、それを掴んで再起できることも素晴らしい。
他人に見せようのない「心」を、あるいは当事者しか分からない状況を、クッキーにたとえてこうして作品にすると、伝わるものありますね。そこが言葉、詩歌、短歌の面白さだと思います。
しかも「わずかとなった身」を積みなおすのですから、例えば、絶望を迎えて、理解して味わったあとで、そこを踏み越えてさらに歩いていくような強さ・気高さをこの作品から感じました。とても好きです。
返歌
クッキーの割れた私を掻き集め掃除機かけてゴミに出したい
詰みました。投了の無いゲームです。この絶望はスタート地点
割れちゃった鏡をわざと置いてある 無数の私 絶望1つ