短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE あの人もあの人もあの人も物語を待っているだけのひと

ドキッとしませんか? 私はドキッとして、この作品の前で立ち止まりました。

「なんか面白いことない」

「ない」

「ないよねー」

そんな声が聞こえてきそうです。僕らはそれぞれが、人類史でただ1つの「物語」を生きて歩いているはずです。

 

小説でもドラマでも映画でも、短歌でも、他のアートでも、様々な作品の中に「物語」を感じ受け取ることが出来ます。味わって自分の栄養にして、自分も何かを生み出しますよね。創作だけにとどまらず、明日も仮に気が進まなくても学業や仕事に取り組むことも、その人の「物語」を作ることだと思います。

 

でも、そうではなくて、何かが訪れると誤解して、ただ待っているだけの状態って、怖くありませんか。例えば渋谷のスクランブルみたいに人がたくさんいる場所をイメージして、この歌を思うと、周囲が一気に色彩を失って灰色になるように感じられるのです。物語を待っているだけの人は、もしかしたら、忙しすぎるとか、疲れすぎた人なのかもしれないですね。

 

返歌

あの人にあの人と、あと、あの人も 待ってるうちに髪白くなる

 

ひな鳥が口を開いて親を待つ ひな鳥だから許されるよね

 

大切な君から聴いた物語 心の奥に組み込まれてる