RE 伸びかけの髪が忘れてしまえよとSOSと蛇行する朝
伸びかけの髪が忘れてしまえよとSOSと蛇行する朝 #短歌
— だっさん/朝倉冴希@短歌 (@dassan34) 2018年6月13日
僕は「蛇行する朝」から、ものすごい長髪をイメージしました。
でも、肩までなくても、ボブくらいでも、十分「SOSと蛇行する」ことは可能ですよね。
ではなぜ「伸びかけ」なのでしょうか。
何かがあってバッサリ切って、気持ちを切り替えようとした。でも、いつもの髪型、いつもの自分に戻る途中の「伸びかけ」になる程度時間が経っても、まだ忘れられない何かがある。そう受け止めました。
友達が言うのではない。
自分で自分に言うのでもない。
主体の髪が、「SOS」の形に蛇行して見える。
例えば痛みも傷も、ああ、傷ついていたんだと時間が経って気がつくことってありませんか。私はあります。目に見える傷なら、「どうしたの、血出てるよ」って言われて、「あ、ほんとだ」って気づくとか。まして、心の痛みなら、目に見えないですよね。
主体が、ああ、まだ忘れられないんだなって気がついたのか、それとも、忘れられずに苦労してるから、見かねた髪が「気付いて」とサインを送ったのか、どちらにも読めます。凜としていて少し寂しい。この作品の空気感が、好きです。
返歌
伸びかけの髪が時々頬を打つ目を覚ませってたぶん言ってる
伸びかけの髪が忘れてしまえよと優しい声で囁く 受験
伸びかけた髪が微妙でやだなもう 切って気持ちも切ったはずでしょ