短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RT この赤は何かのしるし噛み痕を撫でる指にも傷があるのね

傷や痛みを通して、その向こうにある、傷だらけになって何とか生き延びて来た人に対する、理解と温かな眼差しを感じました。

そして、なんとも言えない独特の静けさと。

 

女性と雑談してて、学生時代にピアスをこんな風に開けたよって話題になると、とりあえず「ヒッ」てなります。痛いのと血は苦手です。でも不思議で、自分が怪我して血を流すとか、健康診断等で採血される時はまったく気にならないのです。

 

「この赤」は「噛み痕」と受け止めました。誰が噛んだかは分からないですけど、何か理由があるはずですよね。痕として残った部分を撫でる指にも傷がある。ただ不注意で怪我がたえないとか、お仕事の関係とか、理由はありそうですけれど、私は何かしらの「困難」を通ってきた結果だと受け止めました。

 

どのような傷跡であっても、その人が歩いてきたことを考えると、くぐり抜けた困難を思うと、私には美しく感じられます。だから、この作品は優しく思えるし、好きです。

 

返歌

泣けなくて言葉もなくて一筋の朱色の線が慰めている

 

噛み跡を舐める子猫はザリザリと他意は無いよと訴えている

 

指先の白い傷跡綺麗だと伝えたいけど信じないよね