短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 寄りかかる草の隙間に入り込む東から来る4時の消しゴム

tanka.sblo.jp

Among the grass
I hid myself―
From 4AM;
I wait to melt.

メルト、ですと? 「ラーララーラーラーラーラー」。うっかり、懐かしい動画を埋め込みたい気持ちになりました。こほん。

「東から来る4時の消しゴム」って、いいですね。正直、やられたって気持ちになりました。朝日が登る頃、じわじわと真っ暗だった空が深い藍色へグラデーションしていき、藍色はやがて青色へ変化していきますよね。「4時の消しゴム」って表現は、そう、それ、それが言いたかったって思いました。

 

作品のイメージとしては、遊びに行った帰りなのか、休日の朝早くに目がさめたのか、眠れなくて空を見てたのか、理由は分からないけど主体が夜明けを見ているわけですよね。「草の隙間に入り込む」ものが何かは直接的には書かれていませんが、『となりのトトロ』のまっくろくろすけみたいのが、わさわさと隠れていくように感じられました。

 

それにつけても、4時の消しゴムです。朝日が登ると、空に消しゴムかけたみたいになるよねと、何で言えなかったのだろう。私は、夜空の変化ばかり見ていました。

 

返歌

寄りかかる草の隙間に消しかすが溶けて消えるのじっと待つ朝

 

太陽の留守を預かる僕たちは引き継ぎをして消えていきます

 

この空を君に見せたい 集中し目に焼き付けて持ち帰ります