短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 叱られた涙の味の夕飯を思い出すとき雨がぽつぽつ

そうだよなあと、深い共感を抱きました。

17歳くらいでも、叱られることはあるでしょう。でも、この作品からイメージするのは、もっと幼い子、物心ついた頃に思えました。

何をして叱られたのか、どんな晩ごはんだったのかも覚えていませんが、私にも「涙の味の夕飯」はありました。自分の中の原体験が呼び起こされるから、共感したのでしょう。そして、他の方もきっと、内容と程度は違ってもその人だけの特別な「涙の味の夕飯」があったことでしょう。きっと多くの方に届く、私にはそう思えるのです。

「思い出すとき雨がぽつぽつ」は、思い出したから雨が降ることは因果関係としてまずないですよね。思い出した時、たまたま雨も降り出すことはあるでしょう。あるいは、もともと降っていたけれど、思い出すことで、ああ、雨なんだと気がつくこともあるかもしれませんね。

そして、心の中に降る雨なら、思い出したから降ることはもちろんあるでしょう。

できたらそれは、苦いだけではなくて、ほろ苦くて切なくて、でも愛おしい記憶だといいなあと願ってしまいます。

 

返歌

叱られた涙の味は藍色で今もあそこに取り残されて

 

夕飯は涙の味にさせません美味しく食べて さあ、正座して

 

三才のこんな小さなちびちゃんの小さな胸に悲しみはある