短歌読みます、うたあつめ。

拝見した短歌への、返歌や感想を書く、公開ファンレターです。

RE 家と家隙間の景色渡る人僕も彼女も前だけを見る

tanka.sblo.jp

家の窓を開けると、通りの手前に他のお宅が建っている。そういう状況なら、通りを行きかう方たちは、前を向いている(こちらを見ない)ことは、当然ですよね。この場合、主体は通り方向を向いていて、彼女は主体の隣、あるいは通りを歩いているのかなとイメージしました。

「家と家隙間の景色渡る人」だけを見ると、まるで隙間自体を渡る方もいるのかなとイメージすることもできますね。楽しいです。近道なのかな。買い物帰りとかだと、詰まったりしませんか? みたいな。

また、「僕も彼女も前だけを見る」は、とてもポジティブで、もしかしたら目標を共有できるような関係性なのかなと感じました。

そんな二人は、「家と家隙間の景色」を写真で撮ったようには見ていませんよね。彼らは何を見ているのでしょう。答えはもちろん書いてありません。

だから、鑑賞の楽しみが増すのだと思います。

 

返歌

家と家隙間があって暴れ馬挟まっちゃった 慰めている

 

路地裏にやけに詳しい君だからじつは猫だと疑っている

 

世が滅びじきにこの場所無くなるね微笑む時間あってよかった