RE 理想郷なんて都合のいいものはなくて寝るためだけのアパート
理想郷なんて都合のいいものはなくて寝るためだけのアパート #短歌 #tanka
— 宇野なずき (@unonazuki) 2018年6月3日
学業や仕事が忙しいと、「寝るためだけのアパート」になりますよね。
この作品は、「理想郷なんて都合のいいものは」とされたことで、日常の上にふわっと非日常が被さったように感じます。
たとえば、学生時代は夢や希望があって、社会人になったらこんな風に暮らしたい、こんなことをしてみたい、でも、実際、夢への第一歩を踏み出したら、仕事や生活がのしかかってくる。
でも、そこで折れてしまわずに、寝るためだけのアパートかもしれないし、仕事を覚えたり役割を果たすことに集中したり、あるいは食べていくためだと割り切るなど、眼の前の現実から逃げずに、絶望もせずに、少し自分を突き放して「苦さ」を抱えて歩き続けている。僕には、そんな歌に感じられました。
少し苦くて、でも絶望してはいない。そんな絶妙なさじ加減が、とてもリアルで、好きです。
返歌
理想郷お幾らですかチケットは完売ですか入荷しますか
寝るだけのアパートだから職場にはやたらと近い銭湯の上
「あの子はね夜勤があるの残業も寝ている時は静かにしてね」