RE 天使しか知らない国があるらしい僕はあなたの羽を折りたい
天使しか知らない国があるらしい僕はあなたの羽を折りたい
— 清水ここに (@shimizu_kokoni) September 18, 2019
執着というか、すごくすごく好きだったり、こっちを向いて欲しい気持ちなんだろうなと受け取りました。「ねえねえ」とか「好き」を使わずに表現なさってる。「羽を折る」って、乱暴でドキッとしますけど、日常で起きていることですよね。
- スマホ?
- 聞いてないのに専門的な仕事の話?
- 私の知らない趣味の話?
例えば上記は、うんざりしているわけですが、「それ私は入国できない国の話なのに」って点は共通します。スマホの中に私はいない。
価値観によるけど「こっち見て」と思うことを自覚したくなくて、漠然と不機嫌だったりするし、「スマホ好きだねー」と嫌味言ってみたり喧嘩したりすることを思うと、「天使しか知らない国」と「羽を折る」って、すごくすごく美しくないですか?
- 私の隣にいる時くらい、その羽使わなくていいよ。
- 私の隣にいて欲しいから、その羽取っちゃおうかな?
昔話の天女と羽衣を連想することでした。
RE 諦めたとは言わないがゆるやかに手放しつつある夢のいくつか
諦めたとは言わないがゆるやかに手放しつつある夢のいくつか#tanka #jtanka
— 根本博基の短歌 (@c6iOEExLqVzWBYc) September 22, 2019
まだ手の中に胸の内に温度はあるけれど、「たぶん違うんだろうな」ってうすうす分かっている。分かっているから、そっと手放しつつある。ビターです。
これは夢を見て期待して傷ついた痛みを知っている人の視点だと思う。夢との付き合い方の上手い人だと思う。もしかしたら、夢を叶える幸福や満足と、夢がかなったあとの余韻・寂しさも知っている人かもしれない。
夢だけじゃなく、私はこの作品から、人間関係の知恵も連想します。恋愛や大切な人でもいい、大切な友人や仲間や家族など、「人間関係」にも援用できそう。たとえば、「ああ、この人、ここは変わらないかな。でも、惚れてるんだよな(良いやつなんだよな)」って具合に。
冷めて達観しすぎるのでもない、夢に溺れて消耗するのでもない。この作品は、想いの温度や手放し方(ガス抜きの仕方・圧の下げ方)、心の置き方、主体のスタンスがとてもクールだと思うのです。
RE どろどろに溶けたい消えたい君無しで生きれなくした責任とって
どろどろに溶けたい消えたい君無しで生きれなくした責任とって (栞) #tanka #jtanka
— 栞の歌まとめbot (@xshiorix_bot) September 22, 2019
満ち足りていることの表現は様々。「なじる」とか「恨みがましく」とかが文脈としてハマると強烈に色っぽい時、あります。大切な人との関係性にもよるけど、この作品なら、直接言われてもドキドキするけど、何か言いたそうで、お腹の中でこう思ってるとか、かわいくないですか?
意味を横に置いて、言葉のリズム・音の響きに集中しても、素敵な作品です。
恋愛・性愛から日常に拡大すると、「こんな美味しいものあるの?」「こんな楽しいことあるの?」(≒依存性の塊みたいな食べ物・ゲーム・楽しみetcをシェアされたときの嬉しい悲鳴)といった心の動きは、共有しやすいのではないでしょうか。
人生観も恋愛観も人の数だけあるし時代にも左右されます。「責任とって」と言う主体が女性である必要もなくて、男子が彼女のこと思って懊悩しててもいいと思う。「恋愛」って状態や季節の鮮やかさ・とても幸福な価値観・異文化の衝突を切り取られた点が、心に残り、とても惹かれる作品なのでした。
ところで、主体の気持ち・立場と、この気持ちをぶつけられる側と、どちらがお好みですか? 私は言われつつ、油断すると「マジか?」って自分も振り回されるのが好きです。
RE シャツの背へ夏汗は伸び首もとの その痕跡に光がはねる
今日の短歌は内容が少ないというか、「首の汗がその辺 光ったんだよね」ってだけの内容なんですけどね(-_―; )まぁ、たまにこんなこともあります_(:3 」∠)_
いいと思います。
内容少なくないと思う。
自分にとって爽やかに感じられる他人の汗ってあります。
でも、僕が写真家で相手の許可を得られるなら撮影できるかもしれないけど、あるいは家族とか恋人なら、でも、赤の他人の汗が印象に残った場合、詩歌で切り取るのが平和ですよね。
「夏汗」って造語だと思うのですけど、季節ごとに「春汗・秋汗・冬汗」って考えてみると、夏のみしっくりくるのも興味深いです。
この夏、心に残った汗ってありますか?
RE 海馬よりすべての君を切断しアイスキューブに閉じこめている
海馬よりすべての君を切断しアイスキューブに閉じこめている #短歌
— だっさん/朝倉冴希@短歌 (@dassan34) September 20, 2019
「あ、そうか」って声が出ました。
私は、『「君の海馬」から「君」を切断してアイスキューブに閉じ込めている』 ことをイメージしました。愛情とか強い執着のイメージですよね。
でも、日本語として素直に受け取るなら、「私の記憶を司る海馬から君を切断してアイスキューブ閉じ込める(≒忘れる努力してるよ)」ってことで、執着を断ち切りたい作品になります。
無理のある視点ですけど、第三者、主体と君の恋愛(あるいは片思い)を知っていた第三者の海馬から……という読みだと、「なかったことにして、みんな忘れて!」って感情を出せます。
僕らが誰かを大切に思ったり、気持ちを切り替えようとする時の感情は一つではないから、こうして複数の読み方・立体的な読み方が出来るって、素敵だと惹かれました。
RE 少しだけ気温は下がり鈴虫と 呼ぶ虫が鳴く夜の小道を
RE つらくても私は向かう明日はその 水平線は近づいている
ありゃ。
今日の短歌のタイトルは、元々は「水平線の短歌 つらくても短歌」だったんですが。短歌を詠むのがつらすぎてこんな短歌になった‥って感じがしたのでそこは一応自重することに致しました‥(; ・`д・´)
一歩一歩、足を動かすのが前に進むコツですよね。
とはいえ、背負いきれないくらい荷物が重くなるから、義務感というか使命感というか、まじめさで自分を追い詰めるのは苦しいと思う。
幸・不幸も、成功と失敗も、他者が評価することもあるし、自分の絶対評価もあっていいと思うんです。ストイックな姿勢を拍手して見守るけれど、心配もする。
おせっかいになるから、私のことに限って発言すると、「頑張った結果、生きるだけ生きてみて、自分で納得できたらそれでいい」って思っています。